日本とは異なる清掃の捉え方をアフリカの清掃スタートアップ5社から学ぶ

家政婦という文化は日本人にとって、お金もちの人しか雇わない印象がある。自分の部屋は自分で掃除しすることが日本人にとって当たり前とされているからだ。

なぜこのように考えるようになったのか。それは筆者の学生時代にさかのぼる。皆さんの学校にもお掃除の時間があったはずだ。学校の授業がすべて終わると、その日の掃除当番のグループは、教室を手分けして掃除する。床の砂を掃き、机を拭く人、黒板を磨く人と様々な担当に分かれて掃除をしていたはずだ。

この掃除当番は僕の人生の中で高校生活まで続いた。そう。これこそが日本人が自分の使った場所、モノは自分たちできれいにするといった習慣が根付いている証拠なのではないだろうかと考える。

そのため、自分の部屋を他人に掃除してもらうということが、少し贅沢な印象をもってしまうのではないだろうか。だって、自分でできるから。自分でしてきたから。

そんなこともあってか、自分が泊まったホテルを最後はきれいにしていこうとゴミはちゃんと一か所にまとめたり、洗濯が必要なタオル類も一か所にまとめたりと、無意識のうちにやってしまうのかもしれない。

しかし、このような状況を海外の人はとても不思議がる。「なぜ、あなた達が掃除をしているの?」と。

海外では、家を掃除する家政婦や、学校の教室を掃除する用務員は立派な仕事として位置付けられている。そのため、自分たちがやるべきことではないというしっかりとした線引きがある。

筆者がケニアで友達の家に滞在した際に、使った食器を洗っていたら、「洗わなくていい!」と結構強気で怒られたことを思い出す。そう、これは単純に仕事を奪っているだけなのだと。

アフリカのクリーニング市場

アフリカにおいてもやはり、家政婦という仕事は存在している。基本的に中流階級の家庭では必ず家政婦を雇っており、その人の家に常駐、もしくは週に3回勤務しているパターンが多い。

ケニアの友人の家に泊まった時の話なのだが、朝、物音がするなと思い起きたら、家政婦さんが掃除をしていた。筆者が滞在していた家の主は、家政婦さんに鍵を渡しており、基本的には仕事に行った後に家政婦さんが来て、週3日で掃除をしてくれているのだという。

筆者の感覚では、安心できる家政婦をどうやって見つけているのだろうという疑問ができた。そのため、どうやって雇ったのか聞いてみると、友人が紹介してくれたと言う。つまり友人もその家政婦さんに掃除をしてもらっているのだ。

ただ一方で、アフリカで安心できる家政婦を見つけるのはとても難しいとの声もある。安心できるかどうか確認するために一度掃除をつきっきりで指導したりと、見つけるのにも時間がかかるし、お互いに信頼し合うのにも時間がかかる。

家政婦という市場はそのような問題を抱えている。家を明け渡す以上、本当に信頼できる人でなければ任せることはできない。

今回は、そのような課題を解決する家政婦派遣サービスを展開するスタートアップを5社紹介する。

アフリカで家政婦派遣サービスを展開するスタートアップ5社

SweepSouth

最初の1社目は、南アフリカ発のスタートアップSweepSouthである。Sweepsouthは家政婦のオンデマンドサービスを提供しているスタートアップである。Uberの家政婦版と考えていただけると分かりやすい。需要と供給がマッチすれば、サービスが提供される。

家政婦を呼ぶには予約する必要がある。サイトにいけば、予約するボタンがあるのでそこを選択する。すると予約画面に遷移する。

SweepSouthの予約画面。掃除してほしい箇所等を指定する

その後、掃除をしてほしい範囲、その他掃除希望箇所、掃除グッズの有無(ない場合は別途費用が発生。)そしてメールアドレスを記載し、次へのボタンを押す。

日時、時間、住所を指定すれば、見積もりが表示される。

そして、次に住所、日時、時間を記載すれば、家政婦さんがマッチングする仕組みとなっている。

SweepSouthが独自で発行するクーポン

また、面白い取り組みとして、ギフトサービスもやっている。これは例えば父の日に父のためにSweepSouthが発行するクーポンを提供し、お父さんに無料掃除券をプレゼントするなど、ユーザーを囲い込むためのいろいろな施策をしている。

また、SweepSouthはシリーズAで資金調達を行っており、今後ケニア、ボツワナ、ガーナ、ナイジェリアに進出していくとのことだ。さらには、ガーデニングや、プールの掃除、車の掃除をしてほしいというユーザーの声が多いことから、家の掃除以外にもサービス範囲を拡大する可能性もあるとのことだ。

SweepSouthはかつて雇用がなかった女性に対して3000人もの雇用を生むなど、社会に大きなインパクト与えている。

Domestly

Domestlyも同様に南アフリカで家政婦のオンデマンド派遣サービスを提供しているスタートアップである。一般ユーザー向けだけでなく、会社向けにもサービスを展開しているのが特徴である。

会社向けサービスの場合は、3時間、半日(4時間)、フルタイム(8時間)の中から選択することができる。また、支払い方法は会社向けのサービスに限り、月末の請求書払いにも対応している。

個人ユーザ向けの場合は、こちら側から家政婦を選ぶことができる点がユニークである。

地域を入力すれば、その地域を担当する家政婦が表示される。

まず初めに、自分の住んでいる地域を入力すれば、その地域を担当している家政婦の一覧が表示される。その一覧では、レビューの星と、簡単なプロフィールを確認することができる。

プロフィール詳細を選択すれば、その人のレビューを確認できる。

その中でも評価が高く気になった人の詳細を見ると、実際に今まで利用した人のレビューや、より詳細なプロフィール、その人の勤務可能日が表示される。

その後、その画面上で、スタート時間を設定し、半日か、一日を選択し、予約すれば、その日に家政婦さんが掃除をしてくれるという流れだ。

Domestlyはウェブとアプリでサービスを展開しており、 MTN Business App of the Year Awardsにおいて、2016年のBest Consumer Apps(最優秀生活アプリ)に選ばれている。

Kisafi


Kisafiはケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダにおいて、オンデマンドのランドリーサービスを提供するスタートアップである。ウェブ、もしくはアンドロイドアプリから、ランドリーの予約をすることができる。

ケニアのトップランドリー、ドライクリーニングの会社と提携しているため、高品質で便利なサービスを提供することを可能にしている。

気になる汚れの落ち加減に関しては、写真を撮影し、ランドリー前とランドリー後で比較してどれだけ汚れが落ちたのかを一目でわかるようにしているのが特徴だ。

また、このスタートアップは、ランドリー、ドライクリーニングサービスに加えて、通常の清掃サービス、ガスタンクの配達サービスも行っている。このガスタンクの配達サービスに関しては、先日資金調達を行ったPAYGO ENERGYと似たようなサービスを展開している。


ウェブページを見てみると、トップページから、大学のクリーニング、カーペットの清掃、ガスの配達、ドライクリーニング、ホームクリーニング等のカテゴリーから、自分が利用するサービスを選択します。


選択すると、住所、洗濯してほしい量をバックの数で指定します。(一つのバッグで20~30の衣服が入る量)その後、引き渡し時間を設定し、予約を確定すれば実際に従業員が洗濯物を取りに来てくれる。

Kisafiのファウンダーは、「このサービスを利用することで、もっと時間を有効に使ってほしい。」と話している。

JustLaundry


JustLaundryはランドリーとドライクリーニングに特化したサービスを展開する南アフリカ発のスタートアップである。

このスタートアップがターゲットとするユーザーは25歳~40歳の家事に時間を割くのが難しい人を対象としている。

アイロン、ランドリー、ブランケットのランドリーから選択できる。

Just Laundryでは、まず初めに、利用したいサービスを選択する。

見積もりの概算が表示される。

すると大体の見積もり金額が表示される。
次に個人情報と、引き渡し日時を指定すれば、サービスを受けることができる。サービスは140R(約1200円)から利用することができる。

さらに、JustLaundryの最大の特徴は、ランドリー、ドライクリーニングをした後に24時間以内に家まで届けてくれるところだ。これだと、忙しいビジネスマンでも安心だ。

LaundryBros


LaudryBrosはナイジェリアでオンデマンドランドリーサービスを展開するスタートアップである。ウェブとアンドロイドアプリからの予約に対応している。

LaundryBrosは、サービスの利用注文から60分以内に洗濯物を回収することができるのを最大の強みとしている。

実は、オンデマンドでこの時間帯でサービスを提供できるのには秘密がある。

これの最速の洗濯物回収を可能にしているのは、LaundryBrosの親会社であるDeliveryBrosが構築したハイパーローカル物流網によるところがある。長年続けてきた物流サービスの強みを他サービスにも横展開したのが、LaundryBrosである。まさに、企業内で相乗効果を生み出している。

簡単ステップでサービスを利用することができる。

サービスは、引き渡し先、電話番号、メールアドレスを記入すれば、LaundryBros側から連絡が来るので、詳細を伝えれば、サービスを利用することができるようになる。

LaundryBrosの特徴としては、ランドリー会社と提携していることにより、競合はアイテムごとの課金に対して、重さであるキロ単位での細かな料金体系を可能にしている。さらに、提携により、全行程を平均3~4時間で終えることができるというので驚きだ。お願いした洗濯物はその日の内に帰ってくる。

早くても24時間以内に洗濯物が返ってくるというなか、その日の内に返ってくるのは最大の強みになり得る。

最後に

アフリカのクリーニングスタートアップについてまとめてみた。まだまだ日本では家政婦を雇ったり、誰かに掃除を任せるといった習慣がないので驚いたが、アフリカでこれほどまで、清掃代行サービスが出てきているということは、明らかにニーズはあり、日本とは異なる習慣を持っているに違いない。

日本の話をすると、外国人が日本で家事代行サービスを行うのは認められていなかったが、大阪、神奈川でビザ発給の承認が下りたのを皮切りに海外の人の家事代行サービスが試験的に承認され、2016年2月には、東京でも、日本で3例目として、家事代行サービスを行う外国人に対してのビザ発給が認められた。

治安面なども考慮して、3年たつと帰国しなければならないルールがあるが、少子化が進む日本での移民の受け入れとしてのスタートを切っている。今後は農業従事者なども受け入れを進めていくという。

まだまだ、日本では、家事代行を任せる習慣はあまりないが、アフリカの例のように家事を任せて、そのほかのことに時間を使うことが当たり前になる可能性もあり得る。

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