Uberの救急車版配車サービスFlareがアフリカはケニアの患者の命を救う

タクシーではなく、救急車のUberがあればどうだろうか。例えば日本では、119番にかければ、その居場所から一番近い消防署から救急車が駆けつけてくれるだろう。日本においてはあまりニーズがあるサービスとは言えない。しかし途上国においてはどうだろうか。救急車はちゃんと到着するのだろうか。

ケニアにおける救急車システム

実際、今回紹介するFlareがローンチされたアフリカのケニアでは多くの救急車は民間の会社によって運営されている。驚くべきことに、救急車を呼んでからその現場につくまでに平均2時間はかかるという。ケニアのナイボリ市内には市民300万人に対して100台の救急車、20の緊急対応可能なクリニックがある。WHOの基準によれば、5万人につき1台の救急車があればよいとされているが、その基準であれば、ナイボリには60台の救急車があれば十分な計算になる。問題は救急車の数ではなく、現場に着くまでになぜそんなにもの時間がかかっているのかというところにある。

ケニアにおける救急車システムの問題点

なぜ救急車がくるまでに2時間もの時間がかかるのか。その理由は大きく分けて2つある。

1つ目はケニアでの救急車を呼ぶシステムである。ケニアでは救急車を呼ぶ際にはまず警察の緊急対応番号に連絡する。その後警察が救急車を運営する民間企業に利用可能な救急車が見つかるまで連絡をしなければならない。ほとんどの場合、この警察の緊急対応番号は機能していないといわれている。そもそもかけてもつながらないもしくは話し中が多く、かかったとしても上記のプロセスがあるため救急車が見つかるまで待つ必要がある。

2つ目が救急車を手配できたとしても、緊急対応が必要な患者のもとにほとんどの場合スムーズにたどり着けない。日本では考えられないことではあるが、ちゃんとしたナビゲーションを持っていないことが多く、向かう道中で道に迷ってしまい時間がかかってしまう。

これら大きく分けて2つの理由によって救急車の到着までに平均して2時間もの時間がかかってしまうのである。

救急車がなかなかこない問題を解決するのがFlare

そんな救急車が来ない問題をスマホの1タップで呼ぶことを可能にするのが、Capsule社がリリースしたFlareなのである。

■概要
Caitlin DolkartとMaria Rabinovichによって設立されたCapusule社が発表したFlare。Flareは簡単に言うと、救急車版配車サービスのスマホアプリである。同スタートアップのCaitlin Dolkartによると、「確かに市場は小さいかもしれない。ただしとても重要なマーケットだ。今やスマホのワンタップでフードデリバリーをお願いできたり、家の前にタクシーを呼ぶことができるのに、なぜ救急車は呼ぶことはできないのだ。」と思ったことがサービスをリリースをしようと思ったきっかけだという。現在、このFlareは病院側とのテスト段階でもうすぐリリースされる予定だ。

同スタートアップはエンジェルラウンドにおいて、2人のアメリカのエンジェル投資家から合わせてUS15万ドルの調達をしている。このエンジェルラウンドは2017年1月現在もまだ開いている。

■サービス
Flareでは、初期リリースでは病院側がアプリ上で(今後は患者側も呼ぶことが可能になる。)救急車を呼ぶことか可能になる。これによって今までほとんど機能していなかったケニアでの救急車を呼ぶシステムが改善され、今まで救急車が到着するのに数時間かかっていたところ、数十分で到着するようになる。

救急車を運営している民間企業からすれば、今ままでの警察からの連絡ではなく、病院、患者からのオンデマンドの需要に答えることが可能になる。さらに患者側は救急車が待っている間にも、救急車が今どの位置にいるのか、あと何分くらいかかるのか、また派遣されるチームからどのような処置が必要かお互いにコンタクトをとることができる。

しかし、1つ問題点がある。それはケニアで救急車を呼ぶのにかかる費用がUS35~85ドルとかなり高額であること。Flareは救急車の1ブッキングに対して数パーセントの手数料を徴収することを予定しているが、ケニアで救急車を呼ぶのにかかる費用を払えるのは一部の人に限られている。そのため、Flareでは初期段階は中間層をターゲットにサービスを展開していくことになる。同スタートアップでは、Flareのサービスが普及することによって救急車の効率的な配分を進め、最終的には救急車を呼ぶのにかかる費用を下げることを望んでいる。

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