東アフリカのキオスク向けに最適な配送網を構築するSokowatchをご紹介

途上国に行くとよく見かけるものがある。アフリカではキオスク(ローカルショップ)と呼ばれていたりするが、いわゆる、路上に自分が売りたい商品を並べて売る露天商のようなものだ。そこでフルーツを売っていたり、服を売っていたり、靴を売っていたりと人それぞれ自ら仕入れた商品を路上で販売しているのだ。

一般的にそれらはインフォーマルで、完全にグレーゾーンではある。ただし、それらのショップがなければ生活できない人が大半を占めているのだ。実際、都市部にはスーパーマーケットがあり、幅広い選択肢の中から自分の買いたい商品を買うことができる。だが、それら都市部のスーパーマーケットにアクセスできない人が数多く存在しているのだ。

ニールセンの調査によると、サブサハラ値域の80%の人は都市部のスーパーマーケットにアクセスできず、ローカルショップであるキオスクから商品を購入している。80%とは驚くべき数字だが、これが現状なのである。家の近くにあるキオスクから生活に必要なものを購入する。彼らにとってはこれが当たり前なのだ。

ケニアの例でいくと、キオスクは12万店舗ほどあると言われている。日本のコンビニ数と比較すると、日本のコンビニ数は約5万5000店舗なので、圧倒的にそれらキオスクが多いことが分かる。さらにケニアの人口は日本の人口の半数以下である約4600万人であり、彼らにとって、キオスクはどれだけ身近なもので、生活に必要なものであるのか、この数字からも読み取れるであろう。

今回は、生活をする上でとても重要な機能を果たしているキオスクが抱える問題にフォーカスし、それらを解決しようと取り組んでいるスタートアップを紹介する。

アフリカの小さな店舗、キオスクに商品を供給

ケニアのローカルショップが並ぶエリア

Sokowatchは2013年にDaniel Yu氏によって設立され、キオスクに商品の供給を行っている。なぜ、それらキオスクにフォーカスして商品の供給を行うのか。これから上げる二つの問題以外にもたくさんあるかもしれないが、大きく分けてこの二つの問題を抱えている。

一つ目は、小さなショップゆえに、商品の供給においてメーカ側に対して優位な状況を築けない。一度に大量に仕入れることができないので、仕入れ値を下げることもできなければ、もちろん直接メーカーから仕入れることはできない。そのため、どこかの卸を経由する、もしくはスーパーなどから仕入れるため、仕入れ値が上がり、かなりの薄利になってしまう。

二つ目は、上記の問題によって、商品の仕入れが安定せず、多くの場合機会損失をおこしている。せっかくお客さんが何か特定の商品が欲しいと訪れたのにも関わらず、商品が揃っていないため、お客さんが逃げてしまう。最悪の悪循環に陥るケースが数多くみられていたのである。

それらの問題を解決しようと立ち上がったのが、Sokowatchなのである。キオスクのオーナーはSMSで商品のオーダーを行うことができる。それらのオーダーはSokowatch側のシステムで処理され、オーダーがあったキオスクの近くにいるデリバリー業者に連絡がいく仕組みになっている。それらの配達は24時間以内に行われる。

これらを可能にしているのは、以前はカバーできていなかった、キオスクに配達するデリバリー網を確保したこと。もう一つはネスレやユニリーバなどのメーカーと直接パートナーシップを組むことでそれらメーカーからまとめて仕入れることを可能にしたことだ。本来、キオスクのオーナーは商品の仕入れのために店を離れなければならなかったが、このサービスによって、店にいながらもSMSさえ送れば、商品の仕入れを行うことができるようになったのである。

また、仕入れ履歴、販売履歴等のデータも取っており、それらのデータから、キオスクのオーナは今後の仕入れ、競合の分析等をすることができる。

Sokowatchはタンザニアからサービスを開始し、二つ目の国としてケニアでの展開を始めた。今後もタンザニア、ケニアにとどまらず、他の東アフリカ都市部にも展開していくとのことだ。

最後に

スーパーマーケットで商品を買うことが当たり前になりつつある日本人にとって、80%もの東アフリカの人が、キオスクから買っているというのは信じられないことかもしれない。しかし、これがリアルであり、そこにビジネスがあり、チャンスも広がっている。急速なスピードで都市が発達する一方で、ローカルセクターは追いつけていない状況がある。そのギャップにビジネスチャンスがあるのである。一言で行ってしまえば、卸の機能を導入しただけかもしれない。しかし、それらをローカルの人達向けにSMSでのオーダーを可能にし、データ取ることで、何を仕入れ、何を仕入れなくていいのかはっきり分かるようにしている。

一方で、ケニア資本のスーパーマーケットであるTUSKYSも黙ってはいない。主に都市部に店舗を展開しているTUSKYSであるが、農村部の消費者にもリーチするために、フランチャイズ展開を始めると発表した。これはキオスクのオーナーに、店舗内の場所とTUSKYSというブランドを付与するといったもので、ブランドを付与することで、彼らの集客力を増し、お客さんは安心して商品を買うことができるという狙いがある。これを機に一気にケニア全土に展開していこうと動き出している。

Sokowatchの強力な配送網と商品の供給のおかげで、キオスクはキオスクの形態のまま、独自に発展を遂げていくのか、TUSKYSのような大手スーパーマーケットが農村部にも戦略的にリーチしていくのか。今後も面白い動きが見られそうなマーケットであることは間違いない。

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