生徒個人の進捗に合わせた必須科目のオフライン学習サービスを提供する「Eneza」

アフリカではまだまだ十分に教育機会を提供できているとは言えない。

都市部に住む人たちは、ある程度のお金を持っており、教育機関にも通うことができるかもしれないが、必ずしも皆がそういう人たちではないというのは言わずもがなである。

実際、ケニアのある地域では、学校不足、そして教えることができる先生不足によって、一つのクラスに70人~80人の生徒がいる。

先生一人に対する負担が大きすぎるために、生徒一人一人の進捗に合わせた授業など不可能で、さらにはすべての生徒の面倒をみることさえもままならない状態である。

80人もいればそれぞれの生徒の学習進捗は異なるのは当たり前だ。

そんな状況にも関わらず、ただひたすらに先生による一方的な授業を行うしか方法がないのである。

今回紹介するのは、オンライン教育サービスを提供するEnezaというサービス。実際にアメリカから先生としてアフリカのケニアに移住したToni Maraviglia氏が実際にケニアで感じた課題をもとにアイデアを考案し、Co-FounderであるKago Kagichiri氏とともにビジネスにしていったのがEnezaである。

Enezaは2016年にケニアの通信会社であるSafaricomとSavannah Fundより100万米ドルの資金調達を実施している。

オフラインでも学習できるEnezaとはいったい

Eneza Educationは2011年にKago Kagichiri氏とToni Maraviglia氏によって、ケニアにて設立されたエドテックスタートアップだ。

SMSとウェブを使って、低コストでオンライン教育を提供する会社である。

現在は、15人の社員と40名の登録された先生で運営されている。Eneza上では数学、英語、理科、社会など学校で習うすべてのカリキュラムをカバーしている。

財政的、物理的に学校に通学することが困難な人でも、携帯さえあれば、教育にアクセスすることができるようになる。

このサービスは、2012年から2018年現在までで、アフリカ全土で400万人もの人に利用されている。

Enezaのサービスとは

Enezaのサービスは大きく分けて、3つのサービスに分けられる。

一つが、無料クイズのようなもので、携帯の電話番号と携帯本体さえあれば、無料で、クイズを受けることができ、毎回その日のランキングトップ10の人が表示される仕組みになっている。

そのため学習者は常にトップを目指して学習に取り組んでいる。

二つ目が、SMS(携帯電話)上でレッスンをいかなる学習を受けることができるサービスである。

これは、週ごとの課金でサービスを利用することができ、1週間でたった10ケニアシリング(日本円で約9円ほど)のサブスクリプション費用しかかからない。

一度携帯電話で登録をすれば、いつでも、どこでもレッスンを受けることが可能になる。

これらのレッスンは、ケニアが定める小学校から、中学校の生徒向けのカリキュラムに則して提供される。

Eneza上で実施されるテストで、60%以下のスコアを出した場合、そのレッスンを復習するように促される仕組みになっている。

また、合計2種類のテストをコンプリートすれば、先生に質問をすることができる機能と、Wikipediaの情報にアクセスすることができるようになる。

携帯電話でWIKI○○とタイプし、送信すれば、○○の部分に関して説明されたWikipediaが表示される仕組みだ。これらもネット通信は一切使用することなしで利用することができる。

ケニアにおいては、ケニア最大の通信会社であるサファリコムと提携しており、上記サービスの利用が可能になっている。そのほか、タンザニア、ガーナにおいても、現地の会社とパートナーシップを組んでおり、SMS上でのレッスンを受けることが可能になっている。

最後の3つ目が、スマホアプリやコンピューター上で、同じく、小学校、中学校の学生が対象のオンラインレッスンを受けることができるサービスである。

このサービスではオンラインでのレッスン受講はもちろんのこと、テスト、リアルタイムでの先生への質問チャット機能が含まれている。

このサービスの利用では、一週間、一か月、一タームレッスン、一年のいずれかのサブスクリプションを選択することができる。

それぞれ、140、250、400、850ケニアシリングで上記サービスを利用することができる。いずれの期間においても、無制限のクイズ、レッスン受講、先生への質問機能がついている。

またこれら上記のすべてのサービスにおいて、生徒向けのオンライン教育だけでなく、教える側である先生向けのレッスンや、自営でビジネスをしている人向けに、投資やお金の管理に関するレッスンも提供している。

最後に

まさに今発展している途上国においては、日本と比べて学習環境が大きく異なることがお分かりいただけたであろう。

物理的に学校へ行くことが困難な場所に住んでいたり、そもそもその地域に学校がないということも考えられる。かなりの時間をかけて、通学すれば学校に通うことはできなくもないかもしれないが、わざわざ通学だけのために3時間~4時間かけて学校に行くのはただの時間の無駄なのは明らかだ。

その時間を利用して、携帯で学習ができるのであればよっぽど効率もよく、学習に集中する時間をたくさん確保することができるようになるだろう。

ただし、問題点としては、学習する際に、同じく学習する学生が周りにいないこと。

いかに自分で学習時間を確保し、学習に対するモチベーションを保つのか。

その点に関しては学習結果がランキング形式で表示されたりとサービスの中に工夫は盛り込まれているものの、モチベーションを保つきっかけが与えられているだけで、それらを利用してモチベーションを保つのは学生自身である。

いかに彼らが楽しいと思えるコンテンツを提供することができるのかが、今後のキーファクターになってくるのではないかと思う。

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